先生!先生!それは先生!!

これは、森昌子の大ヒット曲「先生」の最後の小節の歌詞である。幼い中学生の少女が、担任の先生にほのかな恋心を抱いていたが、やがて別離の日が訪れるという初恋の悲しい乙女心を歌にしたものである。

 しかし、今回の先生はそんなに美しい先生のことではない。最近、政務調査費で報道を賑わしている、地方の議会議員の先生のことである。ごく一部の出来の悪い議員のように報道されているが、私は、実感としては多かれ少なかれ「叩けばほこりが出る」と思っている。

テレビでインタビューを受ける議員先生のうろたえようは、見ていても腹立ちと同時に情けなさで一杯になる。これが昔の武士の時代でいうと、武士の意地を通して潔く切腹するところを、死ぬのは嫌だと逃げ回っている感じだ。

何をどうしようとして議員になろうとしたのか、その目的意識が全く感じられない。年に何百万円もかけて政務調査をしなくても、パソコン一台でも、やる気になれば世界中の情報を得ることも出来るし、自己研さんも出来る。

当選した途端に先生と呼ばれ、先生と呼ばれだした時から、ただの偉いだけの人になってしまう。学校であれば先生は専門の科目を担当するが、何が得意でなくても、とにかく当選したと同時に先生になるのだ。議員のすべてがこんな先生だといっているわけではない。崇高な政治理念をもって議員となっている人も数多いと思うが、「朱に交われば赤くなる」人もあるのも事実だ。情報公開制度が確立した現在では、正面から見れば立派なルールが作られて、いかにも整然としているように見えても、裏側からも見ることも出来るようになっている。

政務調査費にも費用対効果の考え方を持つべきだと思う。一年に一度、政務調査費を使って調査した内容とそれを議員活動にどのように活かしたかを紙面で公表してもらうようにしてはどうだろうか。一般住民は、議員そのものを知りえる機会は少ない。言わば、住民による議員の活動評価だ。これに住民からの支持点数を付けて公開するようになると、超古い議員体質も一変すると思うのだが・・・。