地球温暖化
幼稚園児がひとり取り残された 誰も気づくものはなかった
真夏の太陽の下で、50℃にも上がる狭い自動車の中に
苦しみ、もがき、泣き叫びながら
親にすら手を差し伸べられることもなく、幼いいのちが消えていった
思うたびに、たとえようのない無念さで 胸が張り裂けそうになる
しかし、思えばこの地球も同じようなものではないのか
逃げ場のない灼熱の自動車空間そのものではないのか
人間は、この幼稚園児そのものではないのか
逃げ場のない地球という空間の中で
思想、宗教、人種など
あらゆることを都合よく正当化して、世界中で争いは絶えない
だが、この間にも絶え間なく、絶え間なく地球の温暖化は進んでいる
この空間に閉じ込められたまま、気づかないままに、脱水症状はますます進み
やがて、声を出すことも、立ち上がることも出来なくなったとき
はじめて人間は自分の居場所のなくなっていることに気づくだろうが
それではあまりにも悲しすぎる
いま、気づきさえすれば
いま、あらゆる争いをやめて素晴らしい人間の知恵を結集すれば
この地球に、脈々と歴史を刻んできた人間のいのちを奮い起こす
快い冷風を送ることも出来るだろうに
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