かぐや姫からのメッセージ!
すすきの穂が風に揺れて
まんまるなお月様がぽっかりと
山の上に浮かんでいる
今も昔と変わることなく
だけど、お餅つきをしていた兎も
牛車に乗って帰っていったかぐや姫も
いつの頃からかどこかに隠れてしまった
月の世界に人が足を踏み入れた瞬間
みんなどこかに隠れてしまった
もう月の世界のどこをさがしても
会うことはできない
金色に輝く竹の中から
再びこの大地に生まれてくることを願っても
もうその願いは空しい
それほど遠くない昔
人はみな、大いなる大地の恵みに感謝し
人も、動物も、ありとあらゆる生き物が
いきいきと、いたわり助け合って生きてきた
なのに、ほんのわずかな時の流れの中で
大気は淀み海は汚染され
緑の大地は無造作に切り取られ失われて
ひとの心さえもすっかり変わってしまった
かぐや姫は再びこの大地に降り立つことはない
かぐや姫にはこの大地のどこにも
もう、住める場所はないのだから