「正義」は何色?

 私は、テレビ放送で、今は亡き藤田まこと主演の「はぐれ刑事純情派」を好んで見ている。もちろん再放送である。常日頃から、新聞を見ても、毎日のように悪質この上ない犯罪が多発していることに、何とも言えない情けなさを感じている。安浦という人情刑事が、正義に燃えて犯罪に立ち向かい、見事に解決していくのであるが、このわずか60分の間に、悪と正義と人情が見事に表現されている。ドラマを見るたびに、イライラしているものが、ほっとした気分になれるのである。刑事ドラマでは、「白」か「黒」かという言葉がよく使われるが、これは、「正義」か「悪」かという意味でもあるだろうと思う。そうすると、「正義」の色は白色ということになる。しかし、私は現在の「正義」の色はいつの頃からか「灰色」になってしまったと思っている。いつの頃からかはよくわからないが、漫画でいうと、「ワル」という漫画が人気が出てきたころ、歌謡曲で言えば、「いいじゃないの幸せならば」といった歌がはやったころだったのではないかと思う。団塊の世代に育った私には、正義は絶対に白色でなければならないと思うのだが、一度灰色になったものは二度と白色には戻らないものであろうか。