コンドルは飛んでいかない!

 毎朝、健康のために、朝二時間ウオーキングをしている。朝の六時三十分ごろに国民宿舎赤とんぼ荘のそばを通る。毎日、決まったように「コンドルは飛んでゆく」という曲が聞こえてくる。最初のうちは、フルートや笛のような音でもないので、楽器の種類がわからなかったが、よく聞いていると、オカリナだということに気が付いた。もう五か月も毎日聞かされているのだが、一向に上手になるような気配がない。アメリカの大平原の上をゆうゆうと飛んでいるはずなのだが、突然半音ずれたり、止まったり、コンドルが迷走して、まともに飛んでいったのを聞いたことがない。国民宿舎の宿泊客も迷惑なことだ。朝夕に国民宿舎から聞こえる童謡「赤とんぼ」のメロディとはえらい違いだ。あのコンドルはどこにでもいいから早くどこかに飛んで行ってほしい。こんな事をあれこれ考えて、途中で喫茶店に入って、スポーツ新聞には目もやらず、毎日新聞の社会面だけを読んで家に帰った。ところが、家に着いたとたんに思い出した。前日から一晩JRの駐車場に預けておいた自動車を持って帰るのをすっかり忘れていた。それからまた歩いて4キロ、今日は11キロも歩いた。元気になろうとしているのか、体を弱らそうとしているのかわからない。疲れた・・・。