拝啓 警視総監様!

 先日、テレビで「250億円をだまし取ったオレオレ詐欺集団の実態」の報道を見た。神奈川県警の情報提供により報道されていたもので、詐欺集団の実態を明らかにして、改めて国民に詐欺に引っかからないよう警告を発信するという目的で報道されたものだろう。その手口は実に巧妙で、しっかりと組織化され、捕まえられるのはせいぜい出し子といわれる末端組織員がほとんどであり、組織のトップにたどり着くことなどはほとんど困難で、顔を見ることすら出来ないだろうということだった。しかも、組織の幹部は20代から30代の大学卒の高学歴者が多いとも言われていた。私はこの番組を見ているうちに、だんだん腹立たしくなりました。悪いのは人の財産をだまし取る詐欺集団であるのに、現状ではとても手におえないから、自分のことは自分で守るようにと言われているように感じたのです。高学歴の詐欺の指導者や透明人間のような組織のトップを美化するような報道のように思えてきて情けなくなりました。悪は悪です。学歴など関係ありません。ただ悪賢いというだけのものです。偉い政治家は、「国民の命と財産を守るのが責務」であると事あるごとに口にしますが、今こそ国民のかけがえのない財産を守ることに全力を上げてもらいたいものです。人が足りないのであれば、全国の無駄な事業をことごとく廃止してでも人員を確保して、日本の隅々まで目が届くようにすべきだと思います。退職警官を再任用して交番に張り付け、独居老人宅の巡回指導をさせたり、市役所や福祉事務所、社会福祉施設、民生児童委員、自警組織などと綿密なネットワークを作って組織的に対応すべきです。詐欺師集団の悪の言い訳に「政治が悪いから」と言わせておいていいものでしょうか。高齢化社会の弱点を悪用する卑劣な犯罪の撲滅に全力で取り組んでいただきたいものです。